藤井 善三郎

芸術小説の第一人者、藤井善三郎氏 伝統と革新を融合し新たな文学の地平を拓く
日本の伝統文化と現代芸術を融合した新たな文学ジャンル「芸術小説」を切り拓いた作家・藤井善三郎氏が、近年ますます注目を集めている。
幼少期より美術品に囲まれた環境で育ち、日本舞踊、茶道、華道、詩吟、歌舞伎、音楽など多彩な芸能に親しみ、独自の感性と表現力を磨いてきた。同氏は、これらの伝統文化と学びを基盤に、芸術と文学を融合させた独創的な作品を生み出し、2024年には「現代日本文芸作家大賞」を、2025年には「芸術小説創始者文化表彰」を受賞している。また、自らの人生を見つめ直す中で作詞活動も開始し、文学・芸術の分野で幅広い表現を展開している。
書道においても4歳から研鑽を積み、47年にわたり文人連盟の参与として活動。これまでに130点以上の書作品を発表し、2006年のホテルオークラ、2012年の有鄰館での個展開催は高く評価された。さらに2025年5月には「令和三絶文人褒章」も受章している。芸術小説の特徴は、医療や自然科学の知識を巧みに取り入れている点だ。自身も開発に携わった医療画像管理システムを絵画の下絵調査に応用し、古代青銅器の機器分析を通じて古代文明の奥深さを作品に反映させている。卓越した記憶力と独創性も、藤井善三郎氏の魅力の一つだ。これまで800回以上の講演や18年間の大学講義を、メモを取らずとも記憶だけでこなし、聴衆を魅了してきた。有鄰館創設者である祖父の遺志を受け継ぎ、26歳で理事長・3代目館長に就任。公益財団法人の実務を自ら遂行し、現在は会長・名誉館長として文化振興と後進育成に尽力している。伝統文化の保護と新たな表現の追求を両立させる藤井善三郎氏の挑戦は、今後も日本芸術界に新たな風を吹き込むだろう。